1. 相続人の人数と控除額の誤解

　「相続人が4人だから、相続税の控除額は2000万円ですね」。
　生命保険を活用した生前対策のご相談を受ける中で、橋本も本当によく耳にするお言葉です。

　しかし、これはあくまで「控除額」の話であり、「相続税を支払うのにいくら必要か」という根本の準備額とはまったく異なります。

　基礎控除額とは、「遺産からこの額を差し引けます」という最低限の控除枠のこと。
　令和6年現在、基礎控除額は以下の通りです。

3,000万円 ＋（600万円 × 法定相続人の数）

たとえば相続人が4人なら、
3,000万円 +（600万円×4人）＝ 5,400万円。
これが基礎控除額になります。

　重要なのは、「遺産総額がこの額を超えたら相続税が発生する」という点。
　つまり、土地・建物・預貯金などを合わせて5,400万円を超えれば、その超過分に対して相続税が課されるのです。

2. なぜ多くの方が誤解するのか

　この誤解が多い理由の一つは、相続対策の話が税理士、保険営業マン、親戚などから断片的に伝わることが多いためです。
　「控除額」と「納税額」が混同されやすくなるのです。

　さらに、相続税の仕組みはとても複雑で、単に遺産の額だけで決まるものではありません。
　土地の評価、小規模宅地の特例、配偶者控除など、個別の事情によって課税額は大きく変わります。

　だからこそ、正確な「現状把握」と「試算」から始めることが、ご家族に負担をかけないための第一歩です。

3. まずは現状の遺産を正確に把握する

第一にすべきは、ご自身の資産を一度書き出してみることです。

✅ 自宅の土地・建物（評価額）
✅ 預貯金・証券口座の残高
✅ 生命保険の死亡保険金
✅ 車・貴金属などの資産
✅ 借入金などの負債

　この作業だけでも、「思ったより多い」「逆に少ない」と感じる方がほとんどです。

　なお、土地や家の相続税評価額は、固定資産税評価額とも実勢価格とも異なるため、注意が必要です。

4. 遺産の全体像を知った後に考えるべきこと

　資産の全体像をつかんだ後に大切なのは、「誰に、何を、どう渡すか」という視点です。

相続税の額だけでなく、
「この家には誰が住むのか？」
「現金はどう分けるか？」
「誰にどれだけの想いを託すのか？」
といったご本人の意思が、最も重要な要素となります。

　この想いを形にするための手段が、遺言書、生前贈与、家族信託などです。

　つまり、相続対策とは、税金を抑えるテクニックを考える前に、まず「想いの整理」をすることが本来の順序なのです。

5. 「保険を掛ければ安心」は本当か？

　よくある発想に「控除額を超えた分を保険でカバーすれば大丈夫」というものがあります。
　確かに保険は相続対策の有効な手段ですが、すべてを解決できるとは限りません。

　保険金の受け取り方法や遺産分割とのバランス、納税資金として機能するかどうかの検証が必要です。
　「とりあえず保険」で安心するのではなく、実際に効果的かどうかをしっかり見極めましょう。

6. アイリスあんしん終活相談所が大切にしていること

　私たちアイリスあんしん終活相談所は、香川県全域で多くの相続・生前対策をお手伝いしてきました。

　ご家庭ごとに状況も希望も異なります。

だからこそ、「控除額」にとらわれることなく、
まずは「想いの整理」と「遺産の棚卸し」から始めて、
そのうえで最適な方法を一緒に考えることを大切にしています。

7. まとめ

相続は単なる税金・法律の話ではなく、
**「あなたの想いを、家族にどう届けるか」**という人生の整理です。

控除額や保険に頼る前に、まずは自分の現状と想いを整理してみませんか？

8. 無料相談のご案内

アイリスあんしん終活相談所では、香川県全域に向けて
生前対策・相続対策に関する無料相談を随時受付中です（完全予約制）。

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