1. 遺言書は本当に怖いもの？

　「遺言書」と聞くと、「財産を奪い合う争いの原因になりそう」「まだ死を考えるのは縁起でもない」といったイメージを抱く方が少なくありません。
　しかし司法書士として多くのご相談を受けてきた中で感じるのは、**遺言書はむしろ"家族を守るための安心の道具"**だということです。

　特に香川県では高齢化が進み、相続をきっかけに空き家や農地の名義問題が残されるケースが増えています。こうした問題を解決する第一歩が、実は「遺言書の準備」なのです。

2. なぜ「遺言＝争い」と思われやすいのか

　遺言にマイナスのイメージがある理由は主に2つあります。

• テレビドラマや映画の影響
  　例えば「犬神家の一族」のように、遺言が原因で兄弟姉妹が骨肉の争いを繰り広げるシーンを思い浮かべる方も多いでしょう。
• 日本の文化的な背景
  　「死の話をするのは縁起が悪い」「財産を分ける話をすると気まずい」という意識から、遺言の話題自体を避けるご家庭も少なくありません。

　しかし現実には、遺言書があることで相続争いを防げるケースの方が圧倒的に多いのです。

3. 香川県で増える遺言相談の背景

　香川県高松市や丸亀市をはじめ、県内全域から「遺言書を作りたい」「親に作ってほしい」という相談が増えています。

背景には、

• 相続登記義務化による不動産の名義変更問題
• 空き家・農地の放置リスク
• 家族構成の多様化（再婚家庭、子どもが県外在住など）

といった社会状況があります。司法書士としても、「もっと早く遺言を準備していれば…」という後悔の声を何度も聞いてきました。

4. 遺言書の基本｜自筆証書遺言と公正証書遺言

　遺言書には大きく分けて2種類あります。

• 自筆証書遺言
  　自分で全文を手書きする方法。費用がかからず簡単に作れますが、形式の不備で無効になるリスクがあります。
• 公正証書遺言
  　公証役場で作成し、公証人が関与するため法的に強力。安心度は高いですが、費用が数万円〜かかります。

　どちらを選ぶかは財産の内容や家族構成によって変わります。香川県内でも「まずは自筆で試し、その後に公正証書に切り替える」というご相談が多く寄せられています。

5. 自筆証書遺言書保管制度とは？

　2020年から「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。
　これは法務局で自筆証書遺言を預かってくれる制度で、以下のメリットがあります。

• 紛失や改ざんを防げる
• 相続開始後にスムーズに手続きできる
• 家族間のトラブルを軽減できる

　香川県高松市の法務局でも、この制度を利用したいという相談が増えています。

6. 遺言書が「家族を守る力」になる理由

　遺言書を残すことで、次のようなメリットがあります。

• 誰が何を相続するか明確にできる
• 兄弟間の争いを防げる
• 不動産や預貯金の手続きをスムーズに進められる
• 残された配偶者を安心させられる

　つまり、**遺言書は「家族がもめないための最後の思いやり」**なのです。

7. 遺言書を準備するタイミングと注意点

　「まだ元気だから必要ない」と思う方も多いですが、病気や認知症で判断能力を失うと遺言は作れません。
　早めに準備しておくことが大切です。

　注意点としては、

• 財産内容や家族構成を整理すること
• 定期的に見直すこと（5年に1度程度）
• 専門家（司法書士・行政書士）に相談すること

　これらを意識すれば、安心できる遺言書を残せます。

8. まとめ｜遺言書は"家族への思いやり"

　遺言書は「怖いもの」ではなく、「家族を守るやさしい準備」です。
　香川県高松市・丸亀市をはじめ、県内全域で対応可能な司法書士がサポートします。
　不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。

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