【第1回】遺言書を書けば安心?実はそれだけでは足りない3つの理由

2026年04月27日

「遺言書を書いておけば安心ですよね?」
このようなご相談をよくいただきます。確かに、遺言書はとても大切なものです。しかし実は、遺言書だけでは対応できないことも多く、かえって手続きが止まってしまうケースもあります。本記事では、遺言書の役割と限界、そして本当に必要な生前対策について、わかりやすく解説します。

目次

  1. 遺言書はとても大切な「スタート地点」
  2. 落とし穴① 認知症になると遺言は使えない
  3. 落とし穴② 死後の手続きは遺言では進まない
  4. 落とし穴③ 財産の管理が止まるリスク
  5. 本当に必要なのは「遺言+α」の考え方
  6. まとめ 

1. 遺言書はとても大切な「スタート地点」

遺言書とは、亡くなった後に「財産を誰にどのように引き継ぐか」を決めておく大切な書類です。

例えば、
・自宅は長男へ
・預貯金は配偶者へ
・お世話になった人へ感謝の気持ちとして一部を渡す

といったように、自分の意思を形にすることができます。

このように、遺言書は「相続対策」として非常に重要な役割を持っています。
しかし、ここで注意しなければならないのは——

👉 **遺言書は"すべてを解決するものではない"**という点です。

2. 落とし穴① 認知症になると遺言は使えない

遺言書は「元気なうち」にしか作ることができません。

もし認知症などで判断能力が低下してしまうと、
・遺言書の作り直し
・内容の変更
ができなくなってしまいます。

また、認知症になった後は、
・預金の引き出し
・不動産の売却
なども本人の判断で行うことができません。

つまり、遺言書があっても

👉 生前の財産管理はカバーできない

のです。

このような場合に必要になるのが、
「任意後見契約」や「家族信託」といった制度です。

3. 落とし穴② 死後の手続きは遺言では進まない

遺言書があれば、相続の手続きはスムーズになると思われがちです。
しかし実際には、遺言書では対応できない手続きも多くあります。

例えば、
・葬儀や納骨の手配
・役所への各種届出
・電気・ガス・携帯電話の解約
・施設の退去手続き

これらはすべて「死後の事務手続き」です。

遺言書にはこれらを強制的に実行させる力はありません。

その結果、
👉「誰がやるのか分からない」
👉「親族間で押し付け合いになる」

といったトラブルが発生することもあります。

こうした問題を防ぐために重要なのが、
👉 死後事務委任契約 です。

4. 落とし穴③ 財産の管理が止まるリスク

もう一つ見落とされがちなのが、「空白期間」です。

例えば、
・認知症になってから亡くなるまで
・亡くなってから相続手続きが完了するまで

この期間に、
👉 財産の管理が止まるリスクがあります。

実際の現場では、
・空き家の管理ができない
・預金が凍結されて生活費が出せない
・相続人同士で話し合いが進まない

といった問題がよく起こります。

遺言書は「最終的な分け方」を決めるものなので、
👉 途中の管理まではカバーできないのです。

5. 本当に必要なのは「遺言+α」の考え方

ここまで見てきたように、遺言書はとても重要ですが、それだけでは不十分です。

そこで大切なのが、次の3つを組み合わせる考え方です。

■ 遺言書
→ 相続(亡くなった後の財産の分け方)

■ 任意後見・家族信託
→ 認知症などへの備え(生前の財産管理)

■ 死後事務委任契約
→ 死後の手続き(葬儀・解約など)

この3つを組み合わせることで、

👉 生前から死後まで切れ目のない対策

が実現できます。

6. まとめ

遺言書は、相続対策として非常に大切なものです。
しかし、それだけで安心とは言えません。

   ・認知症への備え

   ・死後の手続き

   ・財産管理の空白期間

これらを含めて考えることが、本当の意味での「生前対策」です。

👉 遺言書はゴールではなく、スタート地点

この視点を持つことが、将来のトラブルを防ぐ大きなポイントになります。

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遺言書

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